第5編 遺産をどうするか
第五編 相続
第2章 相続を受ける人
第二章 相続人

第5編 第3章 相続をしたら
第5編 第1章 この編全体でいえること
生まれる前の子にも
- 第886条
- 相続が始まる時までにお腹の中にいた子には、相続を受ける権利があります。
- 2
- しかし、相続を受けるには無事に生まれることが必要です。
原文
964
子や孫が相続を受ける権利
- 第887条
- 相続を譲り渡す人の子には、相続を受ける権利があります。
- 2
-
相続を譲り渡す人の子が、相続が始まる時点でお亡くなりになっていたら、その子(つまり孫)に相続を受ける権利が引き継がれます。
次の場合も、子ではなくてその孫に相続を受ける権利が引き継がれます。
とはいえ、その孫が連れ子や養子で、相続を譲り渡す人との血のつながりがない場合は、相続を受ける権利を引き継ぐことはできません。 - 3
- 相続を受ける権利を引き継いだ孫が次の場合に該当したら、さらにその人の子(ひ孫)に相続を受ける権利が引き継がれます。
“財産や負債を残してお亡くなりになり、その財産や負債を譲り渡す人”のことを《被相続人》といいます。
“相続として、遺された財産や負債を受ける権利がある人”、もしくは“相続を受けた人”のことを《相続人》といいます。
原文
965
- 第888条
- 削除
親や兄弟が相続権を引き継ぐ場合
- 第889条
- 被相続人に子や孫がいない場合は、以下の順位に従って該当する人が相続を受ける権利を引き継ぎます。
- 一
- まず、被相続人の父と母、次に祖父と祖母、さらに曽祖父や曾祖母…
- 二
- 続いて、被相続人の兄弟姉妹
- 2
-
被相続人の子が次の事情で相続を受けられない場合、叔父や叔母、あるいは甥や姪が相続を受ける権利を引き継ぐことになります。
- 相続が始める以前にお亡くなりになった場合
- 相続を受けられない理由の規定(第891条)にあてはまる場合
- 相続を遺した人にひどい仕打ちをしたために相続を受ける権利をとりあげられる規定(第892条)にあてはまる場合
その場合にも、血のつながりがない叔父や叔母、甥や姪の場合は相続を受ける権利は得られません。
原文
966
結婚した相手は最優先で
- 第890条
-
結婚した相手には、必ず相続を受ける権利があります。
結婚した相手は、相続を遺した人の子と同じく最優先で相続を受け取ることができます。
子供がいない場合には親と同じく、子供もなく親も亡くなっている場合は祖父母と同じく、子もなく親も祖父母も亡くなっている場合は叔父叔母・甥姪と同じく最優先で相続を受け取ることができます。
原文
967
相続を受けることが許されない人
- 第891条
- 以下に該当する人は相続を受けることが許されません
- 一
- 被相続人や他の相続人を殺してでも相続を受けようとしたせいで捕まって、実刑判決を受けた人
- 二
-
被相続人が殺されたことを知っていたのに、黙ったまま警察にも通報もせず、協力もせず、裁判所に訴えることもしない人。
ただし、殺人の是非がわからない人の場合と、犯人が自分の結婚相手や両親、自分の子だった場合は、対象外とします。 - 三
- 騙したり脅したりして無理やり遺言の邪魔をしたり、撤回の邪魔や取り消しの邪魔、内容の書き換えを邪魔した人。
- 四
- 騙したり脅したりして無理やり遺言をさせたり、撤回させたり、取り消しさせたり、内容を書き換えさせた人。
- 五
- 遺言書を偽造したり、書き換えたり、遺言の処分や隠蔽をした人
原文
968
遺留分を認めないで
- 第892条
-
相続が行われる場合に、どのような遺言に対しても一定の取り分《遺留分》を取り戻す権利が認められている人を《推定相続人》といいます。
被相続人に対して推定相続人から虐待を受けたり、非道な目に合わされていたら、家庭裁判所に請求してその遺留分を認めないようにすることが認められます。
原文
969
遺言で、受け取る権利を無効にする
- 第893条
-
被相続人がお亡くなりになって相続を執り行う場合、「遺産を渡さない」という遺言であれば、その遺言を実現するために家庭裁判所に請求をすることになります。
家庭裁判所が請求を認めたら、遺言が有効となる時点、つまり被相続人がお亡くなりになった時から後は、遺産を受け取る権利を失うことになります。
遺言を執り行う人のことを《遺言執行人》といいます。
原文
970
受け取る権利の無効を取り消すには
- 第894条
- 生前に「遺産を渡さない」ことを家庭裁判所に請求をしていたとしても、被相続人が家庭裁判所に対して取り消しを請求することが可能です。
- 2
-
新たな遺言を作って、遺産を渡さないことを取り消すことも可能です。
このような内容の遺言が出てきた場合、遺言執行人は家庭裁判所にその取り消しを要請することになります。
取り消しの要請をするまでに、遺言を執り行って相続を受けられなかった人があったら、遺産を分け直すことになります。
原文
971
遺産を受ける権利がどうなるのかわからぬ段階で
- 第895条
-
遺言の内容によっては、家庭裁判所から遺産をちゃんと相続するために必要な指導を受けることがあります。
家庭裁判所から指導されるには、親族、相続の仕方によって受け取る財産に差が出る人、検察官から家庭裁判所への要請が必要です。
指導を受けることがある遺言の内容は次の通りです。- 「相続を受け取る権利を無効にする」と言い出した場合
- 「相続を受け取る権利を無効にする」ことについて家庭裁判所に要請中なのに、さっさと相続を執り行った場合
- 「相続を受け取る権利を無効にするのは、やめる」ことについて家庭裁判所に要請中なのに、さっさと相続を執り行った場合
- 2
- 遺産をちゃんと相続するために、家庭裁判所から遺産の管理人が決められた場合、次の条の規定を同じように適用することとします。
原文
972
第5編 第3章 相続をしたら
第5編 第1章 この編全体でいえること
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