CONTENTS



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4.親族 2.婚姻

第4編 親戚関係にある人たち

第四編 親族

第2章 夫婦になると

第二章 婚姻

第4編 第3章 親子の縁も

第4編 第1章 この編全体でいえること
第1節 ちゃんと夫婦になるには

第一節 婚姻の成立

第1款 夫婦になる条件

第一款 婚姻の要件

法的に夫婦になれる年齢
第731条

18歳になると、夫婦になることが認められます。
原文
同時に二重に夫婦にはなれない
第732条

すでに夫婦になっている人が同時期に他の人とも夫婦になることは許されません。
原文
再婚することが許されない期間
第733条

女性は、離婚をしたり、結婚が取り消された日から100日の間は、他の男性と夫婦になることは認められません。
2

次に該当する場合は100日の間でも他の男性と夫婦になることが認められます。
  • お腹の中に赤ちゃんがいない状態で前の夫と別れた場合
  • 出産してから前の夫と別れた場合
原文
血縁関係で結婚できない相手
第734条

直系の血縁関係にある親と子、孫とは7親等先まで結婚できません。

直系ではなくても血縁関係にある兄弟姉妹、甥・姪、おじ・おばとは結婚できません。

養子に迎えられた人と、養親の直系でない血縁関係の兄弟や甥・姪、おじ・おばとは結婚が認められます。
2

6歳未満の乳幼児を保護する目的で認められる《特別養子》により血縁の親族関係を終了させた後でも、結婚することはできません。
家系図上で兄弟として枝分かれした血縁関係のことを《傍系血族》といいます。
原文
離婚相手の血縁関係で結婚できない相手
第735条

死別をした後でも、結婚相手の直系の血縁関係にある親と子、孫とは結婚できません。
離婚や《特別養子》により親族関係を終了させた後でも、別れた相手の親や子、孫とは結婚できません。
原文
養子に迎えると結婚はできない
第736条

離婚や死別をした後でも、養親と養子とは結婚できません。

養親と養子の元結婚相手や養子の子供とも結婚はできません。

これらの相手とは養親だけではなく、養親の直接の子や孫、曾孫などの直接的な子孫とも結婚はできません。

それにとどまらず、たとえ養子として親族の縁を切った後でも、これらの人との間で結婚はできません。
子や孫、曾孫のように自分たちが産んだ子孫のことを《直系卑属》といいます、
原文
第737条

削除
成年被後見人の結婚
第738条

成年被後見人の場合、その人の後見人に反対されても、自分の意思がしっかりしてれば、結婚することができます。
原文
結婚の届け出
第739条

戸籍法の規定に従って届出をすると、結婚したことが認められます。
2

婚姻届を提出する際には、結婚する二人の署名と、それを証明する二人の成人の証人の署名が必要です。

証人の証明は口頭でも良いとされています。
原文
婚姻届の受理
第740条

婚姻届は、結婚が認められる条件を定めた規定(第731条から第736条第739条第2項)や、その他の関連法令の規定に違反していないことが認められると、受理されます。
原文
外国にいても婚姻届けは
第741条

日本人同士が外国で結婚しようとしたら、その国の駐在日本大使や公使・領事に対して婚姻届を提出することができます。

その場合、本人や証人の署名などが必要であり、規定の違反がないかを確認した上で受理されることとなります。
原文
第2款 結婚が認められない場合

第二款 婚姻の無効及び取消し

結婚が無効となる場合
第742条

次のような場合には結婚が認められず、無効になります。

人違いのような理由で、婚姻届に書かれた当事者には結婚する意思が無い場合。

婚姻届に書かれた当事者が、その届けを出さない場合。

しかし、結婚する意思があり、承認もいれば、届の署名に不備があるぐらいのことであれば、届出は直さなければなりませんが、結婚することは一応認めることとします。
原文
結婚を取り消すには
第743条

結婚を取り消すことができるのは、次のケースに限られます。
  • 法律に違反した結婚のケース(第744条
  • 年齢に達していない結婚のケース(第745条
  • 許されない期間中の再婚のケース(第746条
  • 詐欺や脅迫にあって結婚させられたケース(第747条
原文
法律に違反した結婚の取り消し
第744条

もし結婚が認められる条件に関する規定に違反していたら、親族の人たちや検察官は結婚を取り消すように家庭裁判所に訴えを出ることができます。

しかし、結婚した当事者のどちらか一方でもすでにお亡くなりになった後では、今さら結婚を取り消すための訴えは起こせません。
2

もし相手が他の人と結婚していたら、結婚していても、離婚したあとでも相手を訴えることができます。
原文
年齢に達していないのに結婚しても
第745条

もし18歳になっていないのに結婚していたとしても、そのままばれずにその年齢に達したら、それ以降は取り消しにされることはありません。
2

結婚して18歳になった直後でも、その後の3ヶ月間は、考えなおして結婚の取り消しを訴え出ることができます。

しかしその3ヶ月の間であっても、自分から結婚することを改めて認めた場合は、取り消しを訴え出ることはできなくなります。
原文
許されない期間中に再婚したとしても
第746条

再婚することが許されない期間中に結婚をしたら、別れた日から100日が経過したり、再婚後に子供が生まれると、どんなことがあっても再婚を取り消すことが認められなくなります。
原文
詐欺や脅迫にあって結婚させられた場合
第747条

結婚詐欺にあった場合や、脅されて無理やり結婚をさせられた場合は、家庭裁判所に訴えて結婚を取り消すことができます。
2

詐欺や脅迫にあって結婚を取り消すことができるのは、詐欺が発覚してから3ヶ月以内か、脅迫から解放されてから3ヶ月以内で、その期間を過ぎてしまったり、その期間中に「結婚したままでかまわない」と認めた場合は、結婚を取り消すことはできなくなります。
原文
結婚を取り消すと
第748条

結婚を取り消した場合でも、取り消すまでの間にした契約や約束事は取り消しはできません。
2

結婚をしてから、「取り消しをしなければならない」とわかった場合でも、結婚によって相手からもらったプレゼントや生活費などのお金は、相手に返す必要があります。
3

そもそも「この結婚は取り消しをしなければならない」とわかっていた場合には、相手から受け取った全てのものを相手に返す必要があります。

自分はわかっていて、結婚相手は「取り消しをしなければならない」とは知らない場合には、受け取ったものを返すだけでは済まず、相手が受けた損害を賠償しなければなりません。
原文
離婚した時と同じように
第749条

結婚を取り消した場合でも、以下の離婚に関する規定は同じように適用することとします。
  • 結婚相手の親戚との親族関係の規定(第728条第一項)
  • 離婚に関する規定(第766条から第769条まで)
  • 苗字に関する規定(第790条第一項ただし書)
  • 子供の面倒を誰か見るかに関する規定(第819条第2項・第3項・第5項・第6項)
原文
第2節 結婚したら

第二節 婚姻の効力

夫婦の苗字
第750条

夫婦になる時、夫か妻のどちらの苗字を自分たちの苗字として名乗るのか、決めてください。
原文
遺された人は旧姓を
第751条

夫婦の内、苗字を変えなかった方がお亡くなりになった場合、残された方は相手の苗字を捨てて、旧姓に戻してもかまいません。
2

前項の規定によって旧姓に戻る場合は、離婚した場合に夫婦の権利をどうするかという規定(第769条)を同じように適用して、先祖のお墓などの引き継ぎのことは裁判所に決めてもらうこともできますが、できればちゃんと関係者同士で話し合って決めてください。
原文
夫婦はいっしょにたすけあって
第752条

夫婦になったら、いっしょに暮らし、お互いに協力し、助け合い、財産を分けあって生活していきましょう。
原文
第753条

削除
夫婦で交わした約束は
第754条重要

夫婦の内輪のことで交わした約束が守られなかったとしても、民法がそれをとがめることはありません。

だからといってそのせいで他人に迷惑をかけることは許されません。
原文
第3節 夫婦の財布

第三節 夫婦財産制

第1款 この節全般に言えること

第一款 総則

夫婦の財産の取り扱い
第755条

婚姻届を出す前にお互いの財産をどのように扱うかを決めていなければ、一般的な夫婦の財産の扱い方は第3節第2款(法定財産制)の規定に従ってください。
原文
夫婦の間で独自の財産の取り扱いの約束は
第756条

夫婦の間で独自に取り決めた財産に関する約束を、相続人や自分たち以外の人にも通用させるためには、婚姻届を出す前に約束したことを登記しておく必要があります。
原文
第757条

削除
婚姻届を出した後の財産の取り扱い
第758条

婚姻届を出したら、夫婦の間で独自に決めた財産に関する約束事を変更することはできなくなります。
2

独自の取り決めで「相手の財産も含む全ての財産を夫婦のどちらか一方が管理する」とした場合でも、財産が失くなってしまう心配があるほど管理がずさんだったら、家庭裁判所に訴えて、「自分の財産は自分で管理する」というように変更してもらうことができます。
3

管理がずさんだったら裁判所に訴え出て、夫婦の共有財産は各自の持ち分に分割してもらうように要求することができます。
原文
財産の取り扱いを決めたり、変更した時は
第759条

夫婦の事情で財産の取り扱い方法を決めたり変わった時や、共有財産の分割をした時は、相続人や他の人にもわかるように、登記しておきましょう。
原文
第2款 法律で決められている財布の使い道

第二款 法定財産制

結婚に関わる費用の支払いは
第760条

夫婦になったら、自分たちが持っている資産や収入、そして諸々の事情をよく考えて、二人で結婚して以降の諸費用を分担してください。
原文
生活費の支払いは
第761条

夫婦になったら暮らしに必要な生活費は互いに連帯して責任を負うことになります。

しかし、支払先に対して「ここの支払いは自分だけで支払う」と伝えたら、その分は自分で責任を負ってください。
原文
夫婦の間で自分のだけの財産とは
第762条

夫婦になる前に所有していた財産や、夫婦になった後でも自分だけで得た財産は、自分だけの財産としてもかまいません。
2

夫婦にとって、自分だけの財産だといいきれないものは、夫婦の共有の財産だということになります。
原文
第4節 離婚

第四節 離婚

第1款 話し合って別れるには

第一款 協議上の離婚

話し合って、協議離婚
第763条

二人で話し合って、納得しあえたら、夫婦は離婚をすることができます。
“話し合って、納得し合って離婚すること”を《協議離婚》といいます。
原文
協議離婚をした場合にも
第764条

次の規定は、協議離婚をした場合にも同じように適用されます。
  • 未成年の場合の規定(第738条
  • 届出の必要性の規定(第739条
  • 詐欺や脅迫にあった場合の規定(第747条
原文
離婚届が受理されるには
第765条

離婚届が受理されるには、次の規定に関わる手続きをした上で、その他諸々の法令に違反していないことが必要です。
  • 届出の必要性に関する規定(第739条第2項)
  • 子供の面倒をみるのは誰かの規定(第819条第1項)
2

ひとたび離婚の届出が受理されたとしたら、たとえ届け出の規定や子供の面倒をみるのは誰かの規定に不備があったとしても、離婚は成立したことになります。
原文
別れたら子供の世話は
第766条

協議離婚をする時には、自分たちの子供のことを第一に考えて、「どちらがその子を見守り世話をするのか」「そのために必要なお金は誰がいくら負担するのか」あるいは「別れた相手と子供とをどのように会わせるのか」といったことをきちんと話し合って決めておく必要があります。
2

話し合ってもうまく話がまとまらなかった場合や、そもそも話し合いをすることさえできない場合は、代わりに家庭裁判所が子供の世話をどうすべきかを決めることになります。
3

子供の世話をどうすべきかを決めた後でも、家庭裁判所が必要だと判断したら、内容を変更したり、新たにすべきことの追加を命じられることがあります。
4難文

前三項の規定があっても、子供の世話のこと以外で別れる二人に権利や義務が増えたり減ったりすることはありません。
原文
離婚して元の苗字に
第767条

結婚して苗字を変えた人が協議離婚をした時は、元の苗字に戻ることになります。
2

離婚して元の苗字に戻ったら、離婚の日から3ヶ月以内に、戸籍法にのっとって届け出をしたその時から正式に元の苗字を名乗ることができるようになります。
原文
夫の財産、妻の財産
第768条

協議離婚をしたら、夫婦の財産をどのように分けるかを話し合うことになります。
2

別れる二人が話し合いをしても財産の分け方をどうするのか決まらない場合は、この件で関わる人から家庭裁判所に対して訴え出ることにより、家庭裁判所がその対処方法を決めて、実際に分け合うことになります。

別れる二人の間で話し合いができない場合にも裁判所に要求ができますが、二人が離婚をしてから2年が過ぎてしまったら、家庭裁判所でも面倒をみてくれなくなります。
3

家庭裁判所では、夫婦二人で築いてきた財産や生活の事情などをよくよく考慮して、財産をどのように振り分けるかを決めることとなります。
原文
相手の先祖のお墓のことは
第769条

結婚して、相手の苗字を名乗り、相手の先祖のお墓の管理や法事を取り仕切るようになったにも関わらず、協議離婚をする場合には、お墓や法事の引き継ぎについても話し合いをして取り決めをしてください。
2

話し合いがうまくいかない場合や、話し合いする気がない場合は、お墓の管理や、法事の仕切りは、家庭裁判所に決めてもらうことになります。
先祖のお墓の管理や法事の取り仕切りに関しては、第897条第1項に規定されています。
原文
第2款 裁判で別れるには

第二款 裁判上の離婚

裁判による離婚
第770条

離婚したいと裁判に訴え出るには、以下の事情に当てはまらなければなりません。

相手が浮気をした。

相手に見棄てられた。

相手が生きているのか死んでいるのか三年以上わからない。

相手が治る見込みの無いほどひどい心の病にかかってしまった。

上記以外で、結婚生活を続けることが耐えられないほど辛い目にあった。
2

たとえ前項の四号までに該当したとしても、夫婦に関するあらゆる事情をよくよく考慮した上で、離婚しない方が二人のために良いと結論を出したら、裁判所にはその訴えを退けることが認められます。
原文
裁判で離婚をする場合でも
第771条

協議離婚に関する以下の規定は、裁判で離婚をする場合も同じように適用することとします。
  • 別れた子供の面倒のこと(第766条
  • 元の苗字を名乗ること(第767条
  • 財産をどうわけるか(第768条
  • 相手の先祖のお墓のこと(第769条
原文
第4編 第3章 親子の縁も

第4編 第1章 この編全体でいえること
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改正
  令和5年4月1日に施行される条文(かみくだし作業済)

改正 令和5年4月1日に施行される条文(かみくだし作業前)

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