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CONTENTS

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4.親族 3.親子

第4編 親戚関係にある人たち

第四編 親族

第3章 親子の縁も

第三章 親子

第4編 第4章 子の面倒を見る義務と権利

第4編 第2章 夫婦になると
第1節 夫婦が産んだ子

第一節 実子

産まれた子は誰の子
第772条

結婚してから妻が身ごもって産まれた子は、パートナーである「夫(1)との子」となります。

 ■結婚 + 夫(1)
 ‖♡
 ■出産 = 夫(1)との子


結婚する前に身ごもっていたとしても、結婚してから妻が産んだ子は、パートナーである「夫(1)との子」となります。

 ■結婚前
 |♡
 ■結婚 + 夫(1)
 ‖
 ■出産 = 夫(1)との子
2

結婚した日から200日目までに産まれた子は、「結婚する前に夫(1)と結ばれて身ごもった子だね」と推定し、パートナーである「夫(1)との子」となります。

 ■結婚前
 |♡
 ■結婚 + 夫(1)
 〔1日目〕
 ‖
 ■出産 = 夫(1)との子
 ‖
 〔200日目〕


結婚した日から200日を過ぎてから産まれた子は、「結婚してから夫(1)と結ばれて身ごもった子だね」と推定し、パートナーである「夫(1)の子」ということになります。

 ■結婚 + 夫(1)
 〔1日目〕
 ‖♡
 〔200日目〕
 ‖
 ■出産 = 夫(1)との子


離婚をした日から300日以内に産まれた子は、「結婚していた期間に身ごもった子だね」と推定し、パートナーだった「元夫(1)の子」ということになります。

 ■結婚 + 夫(1)
 ‖♡
 ■離婚 ⇒ 元夫(1)
 〔1日目〕
 |
 ■出産 = 元夫(1)との子
 |
 〔300日目〕

結婚が取り消しとなった場合でも、取り消しの日から300日以内に産まれた子は、取り消されるまでパートナーだった「元夫(1)の子」ということになります。
3

結婚・離婚そして再婚後に産まれた子は、再婚後のパートナーである「夫(2)の子」ということになります。

 ■結婚 + 夫(1)
 ‖(♡♥)
 ■離婚 ⇒ 元夫(1)
 |(♥)
 ■再婚 ⇒ 夫(2)
 ‖(♥)
 ■出産 = 再婚の夫(2)との子


再婚相手とも離婚していた場合、2度目の離婚後に産まれた子は2度目の離婚の時のパートナーだった「元夫(2)の子」ということになります。

 ■結婚 ⇒ 夫(1)
 ‖(♡♥)
 ■離婚 ⇒ 元夫(1)
 |(♥)
 ■再婚 ⇒ 夫(2)
 ‖(♥)
 ■離婚 ⇒ 元夫(2)
 |
 ■出産 = 再婚の元夫(2)との子

4難文

元夫(1)は、離婚後に産まれた子の父が夫(2)となることに納得できない場合は父と子の関係を否認することができるため、元夫(1)が夫(2)に対して父子の関係を否認した場合、産まれた子は離婚した元夫(1)の子ということになります。

 ■結婚 ⇒ 夫(1)
 ‖♡
 ■離婚 ⇒ 元夫(1)
 |
 ■再婚 ⇒ 夫(2)
 ‖
 ■離婚 ⇒ 元夫(2)
 |     元夫(1)→元々夫(1)
 |     それ以前に離婚歴があれば元々夫(0)→元々々夫(1)
 |
 ■出産 = 元夫(2)の子
 |
 ■元夫(1)が否認
 |
 ■否認が認められる = 元夫(2)の子 → 元々夫(1)の子
原文
父が誰かを決められない場合
第773条

二人以上の男性と結婚していた女性が出産したため誰が父親なのかを決められない場合、裁判で誰が父親なのかを決めてください。
原文
父と子の関係に納得できなければ
第774条

夫(1)は、結婚の時期によって父と子の関係が法的に特定されるケースであっても、父であることに納得ができなければ、父と子との関係を否認することができます。

同じく、子であることに納得できなければ、夫(1)に対して子と父との関係を否認することができます。
2

関係者は、夫(1)に関して父であることに納得ができなければ、我が子に代わって子と父との関係を否認することができます。

関係者とは、親権を持つ母、養い親、未成年後見人です。
3

母は、我が子の父について本当のことを知っているはずなので、夫(1)や元夫(2)に対して子と父との関係を否認することができます。

とはいえ、否認することによってその子の人生を台無しにすることが明らかな場合は、否認することが認められなくなります。
4

元夫(1)は、離婚後に産まれた子の父が女性の再婚相手:夫(2)となることに納得ができなければ、夫(2)と子の父子関係を否認することができます。

とはいえ、否認することによってその子の人生を台無しにすることが明らかな場合は、否認することが認められなくなります。
5

離婚した元夫(1)が、夫(2)の父子関係を否認した場合、自分が父となることを否認することはできません。
“夫婦の間で子供が産まれること”を《嫡出》といいます。
原文
父ではないと認めてもらうには
第775条

次のケースに該当する人が、父と子の関係を否認するためには、それぞれに該当する人を相手にする訴えを起こす必要があります。

夫(1)や夫(2)が、「父であること」を否認するには、子や親権を持つ母に対して否認の訴えを起こしてください。

子が、「自分の父であること」を否認するには、父に対して否認の訴えを起こしてください。

母が、夫(1)や夫(2)に対して「子の父であること」を否認するには、夫(1)や夫(2)に対して訴えを起こしてください。

元夫(1)が、「離婚後に産まれた子の父が夫(2)であること」を否認するには、子や親権を持つ母、夫(2)に対して訴えを起こしてください。
2

親権を持つ母がいないため訴える相手が存在しない場合、家庭裁判所に母親の代理を務める《特別代理人》を選任してもらうことになります。
原文
自分の子と認めたら
第776条

父となる立場の人が、「自分は産まれた子の父である」と認めたら、その後は一切否認できなくなります。

子を産んだ母が、「産まれた子の父はこの男で間違いない」と認めたら、その後は一切否認できなくなります。
原文
父あることを否認できる期間
第777条

次のケースで、父と子の関係を否認するための訴えを起こすことできるのは、それぞれのケースに規定された所定の期間内に限られます。

自分が父であることを否認できるのは、子が産まれたことを知った時点から3年以内。

我が子の父であることを否認できるのは、子が産まれた時点から3年以内。

母として夫や元夫が父であることを否認できるのは、子が産まれた時点から3年以内。

元夫が離婚後に産まれた子の父であることを否認できるのは、子が産まれたことを知った時点から3年以内。
原文
離婚暦のある妻の子の父であることを否認できる期間
第778条

裁判所に、再婚後に産まれた子の父が再婚相手の夫(2)であることについての否認が認められると、離婚した夫(1)が父ということになります。

そのことに納得できない場合、次のケースに該当する人は、さらなる父と子の関係を否認することが認められます。

ただしその否認の訴えを起こすことできるのは、それぞれのケースに規定された時点から1年以内に限られます。
難文

否認が認められたことにより新たな父ということになる元夫(1)が、その子の父であることを否認できるのは、裁判所の決定により自分が父ということになることを知ってから1年以内。

子が、新たな父が元夫(1)になることを否認できるのは、裁判所の決定により元夫(1)が父となることを知ってから1年以内。

母が、元夫(1)が父となることを否認できるのは、裁判所の決定により元夫(1)が父となることを知ってから1年以内。

離婚した元夫(1)よりも前に離婚をしていた元々夫(0)が、その子の父に元夫(1)がなることを否認できるのは、裁判所の決定により元夫(1)が父となることを知ってから1年以内。
原文
否認ができない子のための救済措置
第778条の2

子は自分で否認の訴えを起こすことができないため、訴えが認められる期間が残り6ヶ月を切っても代わりに訴えをしてくれる関係者がいない場合には救済措置があります。

救済措置が認められるのは次のケースで、それぞれの状況が確定した時点から6ヶ月以内に否認の訴えを起こす必要があります。

  • 母や養い親の親権停止の期間が満了した。
  • 母や養い親の親権喪失や親権停止の審判の取消しの審判が確定したり、親権の回復が認められた。
  • 養子縁組が行われ、新しい養い親が決まった。
  • 未成年後見人が決まった。
2

子と父のいっしょに暮らした期間が3年に満たない場合、子は21歳の誕生日を迎えるまでであれば否認の訴えを起こすことが認められます。

とはいえ、否認することによってちゃんと親の務めを果たそうとしていた父の人生を台無しにすることが明らかな場合は、否認することが認められなくなります。
3

いっしょに暮らした期間が3年に満たない子が父に対する否認の訴えを起こすケースでは、関係者が代わりに訴えを起こすことは認められません。
4

救済措置により子と父との関係が変わることになっても、子が18歳を迎えていたら、元夫や元々夫が否認の訴えを起こすことは認められなくなります。
原文
養育費を返す義務は生じません
第778条の3

納得できなかった父による子であることの否認が認められ、父と子の関係が途絶えたとしても、今まで育ててもらうためにかかった養育費用を返す義務は生じません。
原文
改められた父と子の関係で相続人となった場合は
第778条の4

子であることが否認されて父と子の関係が改められることになったケースで、新しい父となる人はすでにお亡くなりになっていて、さらに遺産相続も終わっていた場合でも、その子の相続を受ける権利が無くなるわけではありません。

とはいえ、分配が終わった不動産や証券までを戻して現物による相続のやり直しをすることは大変過ぎるので、それらの価値をお金に換算して、遺産を受け取っていた人から自分の分の額面を金銭で受け取ってください。
原文
自分の子だと届け出て
第779条

産まれた子の父親と母親とが結婚をしていなくても、親であることを届け出ることにより戸籍に親として記載されます。
結婚していない親であっても“親であること届け出て親として戸籍に記載されること”を《認知》といいます。
原文
認知には代理人の了解は必要ない
第780条

親の一方が未成年であったり、成年被後見人であったとしても、認知をするかしないかについては、自分の法定代理人にわざわざ了解を得る必要はありません。
原文
認知のやり方
第781条

認知の届出は戸籍法の規定に従ってください。
2

遺言で認知をしても有効です。
原文
成人した子の認知
第782条

子が成人になっていたら、親からの認知とともに、その子の承諾がなければ認知は成立しません。
原文
産まれていない子、亡くなった子の場合
第783条

まだ産まれていないお腹の中にいる赤ちゃんに対して、自分の子だと確信している父親が認知をするには母親に「この子の父親だ」と認めてもらう必要があります。
2

産まれた子は誰の子なのかについては第772条で規定されるため、その規定を無視してお腹の中にいる赤ちゃんの父であることを認知しても、それは認められません。
3

認知されぬまま亡くなっていた場合、その人に子や孫(実の父や母から見たら孫や曾孫)がいれば、実の父や母が認知をすることが認められます。

この場合も、親から見た孫や曾孫が成人していたら、彼らの承諾を得る必要があります。
原文
認知によって
第784条

認知をされたら、産まれた時までさかのぼって親としての責任を負い、子としての権利を受けられることになります。

とはいえ、それまでに親子以外の人が手に入れた権利を認知によって失われせることはできません。
原文
認知をしたら取り消しはできない
第785条

父となる人や母となる人は、ひとたび認知をしたら二度と取り消すことはできません。
原文
認知に誤りがあれば、無効の訴えを
第786条

認知したことが誤りであった場合、所定の期間内であれば認知を無効にするための訴えを起こすことが認められます。

お腹の中にいる赤ちゃんに対する認知の場合は、産まれてから7年以内であれば、認知無効の訴えを起こすことが認められます。

訴えを起こすことが認められるのは、次に該当する立場の人に限られ、それぞれのケースごとに所定の期間が決められています。

第三号に該当する立場の人の訴えによりその子の人生を台無しにすることが明らかな場合は、訴えを起こすことが認められなくなります。

子とその法定代理人に認められるのは、子やその法定代理人が認知をされた事実を知った時から7年以内です。

認知をした本人に認められるのは、認知をした時から7年以内です。

その子の母親に認められるのは、母親が認知されたことを知った時から7年以内です。
2

父と子のいっしょに暮らした期間が3年に満たない場合、子は21歳の誕生日を迎えるまでであれば認知無効の訴えを起こすことが認められます。

とはいえ、認知の無効によってちゃんと親の務めを果たそうとしていた父の人生を台無しにすることが明らかな場合は、認知無効の訴えを起こすことは認められなくなります。
3

いっしょに暮らした期間が3年に満たない子が父に対する認知無効の訴えを起こすケースでは、関係者が代わりに訴えを起こすことは認められません。
4

認知無効が認められて父と子の関係が途絶えたとしても、今まで育ててもらうためにかかった養育費用を返す義務は生じません。
原文
どうしても認知をしてくれない場合
第787条

実の父や母がどうしても認知をしてくれない場合、子やそのまた子たち、または法律で定められている代理人の任についた人は、認知をしてくれるように裁判所に対して訴え出ることができます。

ただし、実の父または母がお亡くなりになった日から3年が経過した場合は、もう認知を訴え出ることはできなくなります。
原文
認知をしたら子の世話は
第788条

父が認知をした時には、離婚した際に子供の世話をどうするのかなど規定が同じように適用されることになります。

認知をしたら、母親との間で子供の世話についてよく話し合って決めてください。
原文
自分たちの子
第789条

父として認知をした上で、その子の母と結婚をしたら、順序は逆になりますが、その子は自分たち夫婦の間で産まれた子として認められます。
2

結婚している期間中に、親として認知をしたら、その子は自分たち夫婦の間で産まれた子として認められます。
3

前二項の規定は、たとえその子がすでにお亡くなりになったとしても、有効な規定です。
原文
子が名乗る苗字
第790条

結婚している父と母から産まれた子は、親の苗字を名乗ってください。

しかし、親が離婚してしまったら、親が離婚後に名乗るどちらかの苗字を使ってください。
2

結婚していない親から生まれた子は、母親の苗字を名乗ってください。
原文
子が苗字を変えるには
第791条

事情があって、父と母の苗字が異なる場合、自分の苗字とは違う親の苗字を名乗りたい時は、家庭裁判所から許可をもらい、戸籍法の規定にしたがって届出をすれば、希望する方の親の苗字を名乗ることができます。
2

父と母が結婚をしているにもかかわらず、事情があって、片親だけが苗字を変更した場合、家庭裁判所の許可がなくても、戸籍法の規定にしたがって届出をすれば、希望する方の親の苗字に変更することができます。
3

その子が15歳未満の場合は、彼の代わりに法で定める代理人が前二項の規定にある届出をすることにより、苗字を変更することができます。
4

前三項の規定にしたがって苗字を変えた子が未成年の場合、20歳になってから1年間は元の苗字に戻すことができます。

その場合にも戸籍法の規定にしたがって届出をすることが必要です。
原文
第2節 養子を迎える

第二節 養子

第一款 養子の縁を結ぶには

第一款 縁組の要件

養い親になれる年齢
第792条

養子を迎えることができるのは、20歳なってからです。
原文
(年上の人を養子にはできません)
第793条

実の親や祖父・祖母に限らず、自分よりも年上の人を養子として迎えることはできません。
原文
(後見人が被後見人を養子に迎えるには)
第794条

成年、未成年を問わず、後見人として被後見人の面倒をみている人が、その被後見人を養子に迎えるには、家庭裁判所の許可が必要です。

この許可は、後見人の役目を終えた後や、役目を終えるために清算をしている間も同様に、家庭裁判所の許可が必要です。
原文
(未成年の養子は夫婦で迎えて)
第795条

結婚した相手の連れ子を養子とする場合は別として、結婚している人が未成年の養子を迎える場合は夫婦そろって養い親になる必要があります。

とはいえ、結婚相手が養子を迎えることに対して自分の意志を伝えられない状態の場合には、夫婦そろって養い親になることを強制しません。
原文
(成人を養子に迎える場合でも結婚相手には)
第796条

夫婦そろって養い親となる場合は別として、成人を養子に迎える場合でも、養い親になるためには自分の結婚相手にも了解を得る必要があります。

とはいえ、結婚相手が養子を迎えることに対して自分の意志を伝えられない状態の場合には、相手の了解を得ることを強制しません。
原文
(15歳未満の子を養子に迎えるには)
第797条

15歳未満の人が養子となる場合は、本人の法定代理人の人が了解することが必要です。
2

法定代理人が産みの親とは別の人が担っている場合は、その子の実の親の承認も必要です。

法定代理人が決まっておらず、産みの親は《親権》を止められている場合も、その子の実の親の承認も必要です。
3

子の人生に大きなメリットがあり特に必要な養子縁組であるにも関わらず、法定代理人ではない産みの親が養子縁組を同意しない場合、法定代理人が請求をすることにより家庭裁判所が同意に代わる許可を与えることがあります。

子の人生に大きなメリットがあり特に必要な養子縁組であるにも関わらず、《親権》を止められている産みの親が養子縁組を同意しない場合、法定代理人が請求をすることにより家庭裁判所が同意に代わる許可を与えることがあります。
4

●824-2--3
“親としての役割を果たす義務や権利”のことを《親権》といいます。
原文
(未成年を養子に迎えるとき)
第798条

未成年を養子に迎えるときは、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

とはいえ、自分の孫やひ孫を養子に迎える場合や、結婚相手の子や孫らを養子に迎える場合なら、わざわざ家庭裁判所の許可を得るまでもありません。
原文
(結婚の規定と同じように)
第799条

成年被後見人の方の結婚する場合と同様に、成年被後見人の方が養子になる場合、その成年後見人の方が反対したとしても本人が希望すれば、養子として迎えてもらえることが認められます。

結婚の届け出と同様に、養子縁組を成立させるには戸籍法の規定に従って届出をすることが必要です。

また、その届出には養子に迎えられる人と養い親になる人の署名と、成人で、養子縁組を証明してくれる人に署名してもらうことが必要です。
原文
(縁組の届出が受理されるには)
第800条

縁組の届出は、養子縁組に関する規定(第792条から799条条まで)や他の法令の縁組成立の要件を満たしていると認められた時に、受理されます。
原文
(外国で養子縁組をする時は)
第801条

日本国外にいても、日本人同士で養子縁組をする場合であれば、その国の法律に従わなくても、日本の大使館や公使館・領事館で届出をすれば、民法の下で養子縁組を行うことができます。

その際には、結婚の届け出の規定(第739条)と同様の手順で届出の手続きを行い、養子縁組に関する規定(第792条から第799条まで)や他の法令の縁組成立の要件を満たしていると認められた時に受理されます。
原文
第2款 養子の縁が結ばれない時

第二款 縁組の無効及び取消し

(無効な縁組)
第802条

次のような場合には縁組を無効とします。

人を間違えてしまったり、それと同じような原因のために、する気のない人が養子縁組をした場合、

本人たちが養子縁組をしたつもりでも、認められるために必要な養子縁組の届出をしない場合。

一応届出はしたものの、養子縁組をした当人たちと証人二人の署名に関する規定(第739条第2項)に落ち度がある場合であれば、たいした問題とはいえないので養子縁組自体は成立したものとします。
原文
(縁組を取り消すことができる場合)
第803条

次の規定に該当した場合は養子縁組を取り消すことができます。
この場合の細かいことは第808条に規定があります。
原文
(20歳に満たない人が養い親になったら)
第804条

20歳に満たない人が養い親になってしまった場合、次の人はこの養子縁組を取り消しにすることができます。
  • その養い親
  • 彼らの法定代理人は

しかし、次の場合は養子縁組の取り消しができなくなります。
  • その養い親が20歳になってから6ヶ月を経過した場合
  • その養い親が20歳になる前でも、養子縁組を取り消しをせずにあくまでも養い親になることを認めた場合
原文
(年上の人を養子に迎えてしまったら)
第805条

自分の親や祖父・祖母、あるいは、自分よりも年上の人を養子として迎えてしまったら、次の人は家庭裁判所に取り消しを要求することができます。
  • この縁組に関わった当人たち
  • 彼らの親族の人たち
原文
(許可無く後見人がその被後見人を養子に迎えてしまったら)
第806条

家庭裁判所の許可無く後見人がその被後見人を養子に迎えてしまったら、家庭裁判所に取り消しを要求することができます。
  • 養子になった当人
  • 彼の実の親族の人たち

しかし、次の場合は取り消しの要求ができなくなります。
  • その養子の財産や借金を清算した後で、養子に迎えられたことを納得した場合
  • その養子の財産や借金を清算してから6ヶ月以上経過した場合
2

契約事がいつでも取り消しができる被後見人の立場であれば、改めて無効になってしまう可能性があります。

そうならないためには、成人した後で養子になったことを納得した場合か、契約事をする能力が回復した後で養子になったことを納得した場合である必要があります。
3

養子の財産や借金の清算をした後で、被後見人の立場の養子の縁組を取り消すための要求を家庭裁判所にできなくなるのは、成人したり能力が回復して被後見人の立場でなくなった時から6ヶ月を経過した時点からです。
原文
(結婚相手が養子縁組を認めていなかった場合)
第806条の2

結婚相手が同意をしていないのに養子縁組をすすめられてしまった場合、同意する気のない養子縁組を取り消しを家庭裁判所に要求することができます。

しかし、いくら同意をしなかったとしても次の場合は、この先二度と取り消しを要求することはできなくなります。
  • 結婚相手が養子縁組を認めた場合
  • 結婚相手に養子縁組をしたことを知られてから6ヶ月たっても取り消しの要求をされない場合
2

騙されたりや脅されたりして無理やり結婚相手に養子縁組を認めさせた場合、本来する気のない養子縁組の取り消しを家庭裁判所に要求することができます。

しかし、いくら騙されたり脅されたとしても次の場合は、この先二度と取り消しを要求することはできなくなります。
  • 騙された人が養子縁組を認めた場合
  • 騙されたことに気付いた時や脅しから逃れた時から6ヶ月たっても取り消しを要求しない場合
原文
(法定代理人の了解がないのに)
第806条の3

法定代理人が了解していないのに15歳未満の子を養子に迎えているのに気づいたら、それに同意ができなければ養子縁組の取り消しを家庭裁判所に要求できます。

しかし、次の場合はこの先二度と取り消しを要求することはできなくなります。
  • いったん同意をした場合
  • 15歳未満だった養子が15歳6ヶ月に達した場合
  • 15歳になった本人が養子に迎えられたことを改めて認めた場合
2

騙されたりや脅されたりして無理やり法定代理人に了解をさせた場合には、家庭裁判所に「養子縁組を取り消しにしてほしい」と要求することができます。

しかし、いくら騙されたり脅されたりしたとしても、次の場合にはこの先二度と取り消しを要求することはできなくなります。
  • 法定代理人が「了解してしまったのだから養子縁組を取り消さない」とした場合
  • 騙されたことに気付いた時から6ヶ月たっても取り消しを要求しない場合
  • 脅しから逃れた時から6ヶ月たっても取り消しを要求しない場合
原文
(家庭裁判所の許可無く未成年を養子に迎えると)
第807条

家庭裁判所に許可を得ずに未成年の人を養子に迎えてしまった場合、次に該当する人は養子縁組の取り消しを家庭裁判所に要求することができます。
  • 養子縁組をした当人
  • 養子に出した実の親族
  • 養子当人の代わりに縁組を承諾した人

しかし、次の場合は、この先二度と取り消しを要求することはできなくなります。
  • 養子に行った本人が20歳と6ヶ月を過ぎた場合
  • 20歳を過ぎた養子の本人が、養子となったことを認めた場合
原文
(養子縁組を取り消した場合の細かいことは)
第808条

詐欺や脅迫をされて養子縁組をした場合は家庭裁判所に訴えでれば取り消しにできます。

しかし、それまでになされた契約や約束事まで取り消しにできるわけではありません。

なお、詐欺や脅迫にあって結婚させられた場合の規定(第747条)や結婚を取り消した場合の規定(第748条)は養子縁組の場合にも同じように適用しますが、詐欺や脅迫での結婚取消が可能な期間を「3ヶ月」と定められているのに対して、養子縁組では取消可能な期間を「6ヶ月以内」とします。
2

養子縁組を取り消した場合も、養い親の先祖やお墓の扱いに関する規定(第769条)を同じように適用します。

養子縁組を取り消した場合も、親子の縁を切ったために苗字の扱いに関する規定(第816条)を同じように適用します。
原文
第3款 養子のご縁を結んだら

第三款 縁組の効力

(実の子と同じ身分に)
第809条

養子に迎えられたその日から、養い親の実の子と同じ身分が与えられます。
原文
(養い親の苗字に)
第810条

養子に迎えられたら、養い親の苗字を名乗ることとなります。

もちろん、結婚したら相手の苗字を名乗ってもかまいませんが、離婚するようなことになったら養い親の苗字に戻すこととなります。
原文
第4款 縁を切るには

第四款 離縁

(話し合って離縁する)
第811条

養子と養い親がよく話し合った上で養子の縁を切ることができます。
2

養子が15歳未満の時は、養子の法定代理人と養い親がよく話し合った上で養子の縁を切ることができます。
3

養子が15歳未満で養子の縁を切る場合、養親が離婚をしていたら、養い親の二人またはどちらか一方には養子の縁を切った後も親としての責任を負う人になってもらうように、話し合って決めてください。
4

そもそも話し合いができない場合や、話し合いをしても離縁や親としての責任を誰が負うのか決めることができない場合は、養い親や別れた夫婦のどちらからの要求により、家庭裁判所に話し合いの代わりに審判をしてもらうことができます。

●819--7
5

15歳未満の養子に法定代理人が就いていない場合、養子の親族や養子の財産などで関わることになる人から家庭裁判所に要求をして、養子が離縁した後に未成年の後見人になってくれる人を選び出してもらうことができます。
6

不幸にも養子がお亡くなりになってしまい養い親が離縁をしたい場合、あるいは養い親がお亡くなりになってしまい養子が離縁をしたい場合は、家庭裁判所に許可を得ることができれば、希望通り離縁することができます。
原文
(未成年の養子と養い親夫婦の離縁)
第811条の2

夫婦の養い親が、未成年の養子と離縁をするには、夫婦のどちらか一方だけではなく夫婦そろってその養子と離縁する必要があります。

とはいえ、夫婦の一方が何らかの理由により自分の意思を伝えられない人の場合は、離縁の意思を伝えられなくてもやむを得ないものとします。
原文
(結婚の規定を同じように適用します)
第812条

結婚に関する次の規定は、話し合いをして離縁する場合でも同じように適用します。
  • 成年後見人の離縁(第738条
  • 離縁の届け出(第739条
  • 詐欺や脅迫にあった場合の縁組の取り消し(第747条

なお、離縁の取り消しができなくなる期限(第747条第2項)は3ヶ月ではなくて6ヶ月とします。
原文
(離縁の届出が受理されるには)
第813条

離縁の届出があった場合、次の規定に違反していないことを確認したら受理されます。
  • 成年後見人の離縁や離縁の届け出、詐欺や脅迫などの規定(第812条
  • 未成年の養子と養い親夫婦の離縁の規定(第811条の2
2

前条にある条文の規定に違反しているにも関わらず、離縁の届出が受理されてしまったら、その離縁は有効です。
原文
(裁判による離縁)
第814条

次の場合であれば、養子からでも、養い親からでも、一方的に離縁の訴えを起こすことができます。

養い親に見捨てられた場合、養子から邪険にされた場合

養い親の行方がわからなくなって、あるいは養子の行方がわからなくなってから三年以上たった場合

第一号と第二号以外の理由で、養子縁組を続けることができないほどひどい目にあった場合
2

行方不明やひどい目にあっていた場合でも、あらゆる事情をよく考慮して離縁しない方が親子のために良いことだと結論をだしたら、裁判でも離婚を思いとどまる場合の規定(第770条第2項)と同じように裁判所にその訴えを退けられることがあります。
原文
(養子が15歳未満の場合に離縁の訴えを起こすのは)
第815条

訴えによる話し合いがまとまれば離縁できることになっています(第811条)。

15歳になるまでは離縁の訴えをは養子本人に対して起こすのではなくて、養子の代わりに協議をする立場の人を離縁の訴えの相手にする必要があります。

一方、15歳になるまでは養子は自分で離縁の訴えを起こすことができません。

養子の代わりに協議をする立場の人が離縁の訴えを養親に起こすことになります。
原文
(離縁した後に名乗る苗字)
第816条

離縁をしたら、養子だった人は縁組をする前の元々の苗字を名乗ることになります。

しかし、養子が結婚をしていて、結婚相手の苗字を名乗っている場合には、あえて元々の苗字にもどる必要はありません。
2

養い親の苗字を長い間名乗っていたら、元の苗字に戻った方が不都合ということもありえます。

いったん元の苗字に戻ったけれども、やはり名乗っていた苗字を名乗ることが認められるには、養子に迎えられてから七年以上経っていることが必要です。

それであれば、元の苗字に戻ってから3ヶ月以内であれば、戸籍法の規定にある手続きをすることにより改めて養い親の苗字を名乗ることが認められます。
原文
(離縁をした場合の相手の先祖のお墓のことは)
第817条

養子と養い親が離縁をした場合も、結婚相手の先祖のお墓のことに関する規定(第769条)を同じように適用するので、お墓や法事の引き継ぎについても話し合いをして取り決めてください。

話し合いで決まらない場合は家庭裁判所に決めてもらうことになります。
原文
第5款 子の将来のための養子制度

第五款 特別養子

(特別養子縁組を成立させるには)
第817条の2

《特別養子縁組》とは、第817条の3から第817条の7までの間で規定されている要件のいずれかを満たす場合に、実の血縁の親族とは親子の縁を切らせて、自分の養子として迎えることができる制度です。

養い親になろうとする人から家庭裁判所にその請求をする必要があります。
2

《特別養子縁組》の要求をする場合は、「後見人が被後見人を養子に迎える際に必要な家庭裁判所の許可(第794条)」や、「未成年の人を養子に迎えるときに必要な家庭裁判所の許可(第798条)」を得る必要はありません。
原文
(特別養子縁組の養い親には夫婦で)
第817条の3

特別養子縁組の養い親になるには、結婚していてパートナーもいることが必要です。
2

パートナーが養い親になってくれなければ、一人だけでは特別養子縁組の養い親になることはできません。

もちろん、養子となる子の実の親がそのパートナーである場合については、改めて養い親になる必要はありませんので、一人が実の親でもう一人が養い親ということで問題ありません。
原文
(特別養子縁組の養い親になることができる年齢)
第817条の4

夫婦のどちらか一人でも25歳を超えていて、パートナーが20歳を超えていなければ、特別養子縁組の養い親になることはできません。
原文
(特別養子縁組の養子として認められる年齢)
第817条の5

家庭裁判所が《特別養子縁組》を認める子の年齢は、家庭裁判所にその決定をする時点で6歳未満です。


その子が6歳を迎える前から養い親に見守られながら育てられ、家庭裁判所にその決定をする時点で8歳未満であれば、特別養子縁組を認めてもらうことができます。
2

その子が15歳を迎える前から養い親に見守られながら育てられていたのに、やむを得ない理由があってその年齢になるまで特別養子縁組の請求ができなかった場合、特別養子縁組を認めてもらうことができます。
3

やむを得ない理由があって15歳を迎えた子の特別養子縁組を成立させるためには、その子本人が特別養子縁組として迎え入れられることを同意していることが必要です。
原文
(実の親の同意)
第817条の6

養子となる子の実の親が同意しなければ、特別養子縁組は成立しません。

しかし、次の場合はわざわざ親の同意を必要とはしません。
  • その子の親が特別養子縁組を同意するかしないかを伝えられない何らかの理由がある場合
  • その子の親が虐待や育児放棄、あるいはその子にとってひどいことをしている場合
原文
(その子の健やかな成長と明るい将来のために)
第817条の7

特別養子縁組は、その子の健やかな成長と明るい将来のために、行われる制度です。

実の親がちゃんと子を育ててくれないと心配される場合や、実の親に子育てを任せられない特別な事情がある場合に、特別養子縁組の適用が認められます。
原文
(見守り育てる様子のチェック)
第817条の8

特別養子縁組で養い親になろうとする人は、養子となる子をどのように見守り育てているのかのチェックを受ける必要があり、その結果をみて正式に養子縁組の成立が認められます。
2

見守り育てる期間は家庭裁判所に特別養子縁組の申請をした時点(第817条の2)からカウントを始めますが、申請以前から子を見守り育てていた実績があれば、その時点よりも前からカウントしてもかまいません。
原文
(実の親とは縁が切れます)
第817条の9

特別養子縁組を結んだ時点で、養子となる子と、実の親やその親族との縁は一切なくなることになります。

とはいえ、実の親の一方が特別養子縁組の養い親のパートナーとなる場合(第817条の3第2項ただし書)は、縁組をした後もその親との縁を切ることはありません。
原文
(特別養子縁組の離縁)
第817条の10

その子の将来のために、養子本人や実の親、あるいは検察官からの要請があれば、特別養子縁組を中断して離縁することは可能です。

そのためには、次の両方に該当する必要があります。

養い親が虐待をしたり、子を見捨てたり、あるいは子の将来のためにならないことをしている

実の親が子の世話をすることができる
2

前項以外の条件以外で離縁をすることはできません。
原文
(特別養子縁組を離縁したら元の親族に)
第817条の11

特別養子縁組の縁を切ったその日から、養子に行っていた子は、養子に行く前と同じ元の親との親子関係を取り戻します。

特別養子縁組の縁を切ったその日から、養子に行っていた子は、養子に行く前と同じ元の兄弟や親類との兄弟関係や親類関係を取り戻します。
原文
第3節 親になるということは

第三節 親の責務等

親となったら
第817条の12

父親であれ、母親であれ、親となったら我が子が健やかに育つため、その子の人格を尊重しつつ年齢や発育状況をよく考慮して子育てを行い、やがて自分たちと同じ程度以上の水準で生活できるように子育てをしてください。
2

結婚をしていてもいなくても、親となったらその子の権利を活かし、その子に対する義務を果たして、その子の人生が豊かなものになるように、父親と母親と子との間でそれぞれの人格を尊重し合い、助け合って生きていきましょう。
原文
子とのふれあいの機会は
第817条の13

離婚したり、結婚を取り消したり、結婚はしていないものの子の認知をした場合、さらに離婚はせずとも別居をした場合、父や母、その他の親族と子がふれあいの機会を持つために必要な事項は、父と母が協議をして決めてください。

そのための協議ではその子が豊かな人生を送れることを最優先に考慮してください。
2

子とのふれあいの機会について協議がまとまらないケースや、協議自体が行えないケースでは、父または母が家庭裁判所に決めてもらうよう請求してください。
3

いったん協議で子とのふれあいの機会について話がまとまった場合でも、父または母からの請求により家庭裁判所が必要だと判断したら、決まった内容を変更することがあります。
4

子のふれあいの機会について家庭裁判所に決めてもらうケース、変更をしてもらうケースでは、その子の豊かな人生に必要と判断されれば、父や母以外の親族と子とのふれあいの機会を設けることが認められます。
5

他に適当な方法が無い場合、子のふれあいの機会について家庭裁判所に決めてもらったり、変更をしてもらうための請求を父や母以外の親族が行うことも認められます。

親族であっても叔父や叔母が請求をすることは、叔父や叔母が実際に子の養育に関わったことがある場合に限られます。
原文
第4編 第4章 子の面倒を見る義務と権利

第4編 第2章 夫婦になると
かみくだし方についてのご意見・ご感想、解釈の間違いに関するご指摘や、
よりわかりやすいかみくだし方のご提案はお気軽にコメント欄へお願いいたします。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

これ、めちゃいいですね!
以前、行政書士になろうと法律関連を少し勉強し掛けたのですが、おっしゃる通り、分かり難かったり
どういう風にも解釈出来そうな文章ばかりで、わざと理解しにくくしているのではないかと思うくらいでした。
こんな表現の仕方だから、それをもとに裁判までしないといけない事になるのでは・・・と思いました。
これ以外の民法もいっぱい見てみたいです。

作者 さんのコメント...

コメントをいただき、たいへんありがとうございます。
たいへんはげみになります。
つたないかみくだしですので、わかりにくいところがあったらぜひともご指摘くださいね!

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