CONTENTS



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3.債権 5.不法行為

第3編 債権:相手に何かをしてもらう権利

第三編 債権

第5章 不法行為:人の権利や利益を侵害したら

第五章 不法行為

第4編 親類の人たち

第3編 第四章 親切心でしてあげる作業
人の権利や利益を侵害したら
第709条重要

わざと、あるいはうっかりしていて、他人の権利を侵害したり、法律で守られている利益を失わせるようなことをしたら、その損害の賠償をしなければなりません。
“他人の権利を侵害したり、法律で守られている利益を失わせるようなこと”を《不法行為》といいます。
原文
財産以外の損害の賠償
第710条

他人の身体を傷つけたり、自由や名誉・財産を奪ったりした場合は、不法行為として損害の賠償をしなければなりません。
原文
他人の命を奪ってしまったら
第711条

他人の命を奪ってしまったら、財産を奪ったか奪わなかったかに関わらず、損害額を算出して賠償しなければなりません。

損害賠償の支払い先となるのは、命を奪ってしまった人の両親や配偶者そしてお子様が対象となります。
原文
未成年者や心の病のせいで、しでかした事
第712条

まだ幼くて、自分のしでかした事がどれほど人に迷惑をかけるのか、ということもわからないような未成年者は、たとえ他人に迷惑をかけても賠償をしなくて済むことになります。
原文
第713条

心の病のせいで、自分がしでかした事がどれほど人に迷惑をかけるのか、ということもわからないような状態の人は、たとえ他人に迷惑をかけても賠償をしなくて済むことになります。

しかし、わざと迷惑をかけたり、うっかりミスによってトラブルを招いたせいで、一時的に心の病の状態になったという場合は、賠償をしなくても済むわけではありません。
原文
面倒を見る人に責任が
第714条

未成年者だったり心の病があるため責任を免れる人が他人に損害を与えた場合、それに対する賠償は当人の面倒を見るべき人が負うことになります。

とはいえ、きちんと面倒を見ていた場合や、たとえ面倒を見ても見ていなかったとしても、結局どうしても損害を出すことになったと思われる場合は、面倒を見るべき人の責任は減ることになります。
2

たまたま面倒を見ることになった人であっても、損害の賠償に関しては、本来面倒を見る義務を負う人と同じように扱われます。
原文
雇い主にも
第715条重要

仕事中にしたことで他人に損害を出してしまったら、賠償を負う責任は雇い主にも生じます。

とはいえ、任せても大丈夫と判断した上で、仕事の進め方を指導し注意を払っていたのに、やむをえず損害を与えてしまった場合は、雇い主の責任は問えません。
2

雇い主から仕事の進め方を指導したり、注意を払うことを任された人も、指導していた人が損害を出してしまったら、雇い主と同じように責任を負うことになります。
3

雇った人の損害に対して賠償することになった雇い主や指導を任された人は、損害を出した人に賠償した分の責任を取らせてもかまいません。
原文
外注先と発注者の責任
第716条

外注先に任せたはずなのに、その外注先が賠償をしなければならない損害を出してしまったら、その外注先が損害の賠償をするべきです。

発注者がきちんと指示をしていて、過失もなければ、業務を請け負った人は責任を負う必要はありませんが、そうでなければ相応の責任を負うことになります。
原文
建物の管理者や所有者に
第717条重要

建築物に限らず、人の手により築かれた物に関するトラブルのせいで損害を受けた場合は、実質的にそれを管理している人が責任を負うことになります。

その人がきちんと管理をしていた場合は、管理者ではなく所有者が責任を負うことになります。
2

人が植えた植物のせいで他人に損害を与えた場合、植物の管理者や所有者が責任を負うことになります。
3

建築物や植物に関する損賠賠償となったとしても、トラブルの原因を生じさせた人が別にいれば、責任を負った管理者や所有者から相応の責任を請求されることになります。
“建築物に限らず、人の手により築かれた物”のことを《工作物》といいます。
“建築物に限らず、人の手により築かれた物を管理している人”とは、法律上は《占有者》ということになります。
原文
生き物を飼う時は
第718条

飼っている生き物が他人に危害を加えてしまった場合、その飼い主が被害者に対して損害の賠償を負う責任があります。

とはいえ、飼い主が「この生き物にはどんな危険性があるのか」を十分に想定した上で、適切な注意を払っていた場合、賠償を負うべき責任が減らされます。
2

飼い主が飼育を人に任せていた生き物が他人に危害を加えてしまった場合、飼い主と同様に飼育を任された人が損害賠償の相応の責任を負うことになります。
原文
共同でしでかしたことは
第719条重要

何人かが共同で、権利や利益を侵害したため人に損害を与えてしまったら、各自が自分の問題として損害賠償の責任を負います。

共同でしでかしたことで損害を与えた場合に、直接誰が原因なのか判別が付かないときも、同じように各自が自分の問題として損害賠償の責任を負います。
2

共同でしたわけではなくても、人の権利や利益を侵害するようにそそのかしたり、その手助けをしたら、その人も自分の問題として損害賠償の責任を負います。
原文
正当防衛と緊急避難
第720条

自分たちの権利や利益が不法に侵害されそうな時、やむを得ず相手に害を与えてしまったとしても、そのことで損害賠償の責任を負う必要はありません。

やむを得ず相手に害を与えてしまったとしても、相手に不法に権利や利益が侵害されて被害を受けていたら、相手に損害賠償を請求してもかまいません。
2

他人の所有物のせいで、差し迫った危険な状態にある場合、その物をやむを得ず壊したとしても、そのことで損害賠償の責任を負うことはありません。
原文
生まれていなくても危害が及んだら
第721条

まだ生まれていない胎児であっても、その子に危害が及んだら、損害賠償を請求する権利があります。
原文
損害賠償はお金で
第722条

一般的な損害賠償と同様に、不法行為に対する損害賠償も基本的にお金で解決してください。

将来もらえる利益に対して不法行為によって損害を与えてしまった場合、損害賠償の請求が認められる時点の法定利率で利息を計算して、その利息の分は賠償を減らすことが認められます。
2

被害者の側にも落ち度があったら、権利や利益が侵されたとしても、落ち度の分は裁判所で考慮をされた上で、賠償の減額が認められます。
原文
名誉を傷つけられたら
第723条

他人に名誉を傷つけられた場合、裁判所に訴え出れば、名誉を回復し、損害があれば賠償をさせるように命じてもらうことができます。
原文
損害賠償の時効
第724条

不法行為によって被害を受けたからといっても、次の場合には時効が適用されて、損害賠償を請求できなくなります。

被害者かその法定代理人が、損害を受けたことに気づいたか、加害者がわかった時から、三年が経過した場合。

不法行為が行われた時から、20年が経過した場合
原文
生命や身体への被害を受けたら5年
第724条の2

不法行為によって生命や身体への被害を受けた場合、損害を受けたことに気づいたか、加害者がわかった時から、3年ではなく5年が損害賠償の時効の期限となります。
原文
第4編 親類の人たち

第3編 第4章 親切心でしてあげる作業
かみくだし方についてのご意見・ご感想、解釈の間違いに関するご指摘や、
よりわかりやすいかみくだし方のご提案はお気軽にコメント欄へお願いいたします。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

724条の原文が表示されません。

D_papa さんのコメント...

修正いたしました。
ご連絡ありがとうございました!

民法改正に伴い

改正
  令和5年4月1日に施行される条文(かみくだし作業済)

改正 令和5年4月1日に施行される条文(かみくだし作業前)

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