第3編 債権:相手に何かをしてもらう権利
第三編 債権
第3章 事務管理:親切心でしてあげる作業
第三章 事務管理

第3編 第4章 不当利得:理由もなく利益を得たら
第3編 第2章 契約:約束や取引を交わす14の方法
親切心で人のために作業をしてあげると
- 第697条
- 親切心で人のために何か作業をしてあげるなら、その人にとってもっともためになるやり方で作業をしてあげてください。
- 2
- どうして欲しいのかを知っていたり、なんとなくでもわかっていて、親切心で作業をしてあげるなら、その希望をかなえるように作業をしてあげてください。
親切心で人のために作業をしてあげる人のことをこの章では《管理者》といい、してあげる作業のことを《事務管理》といいます。
原文
752
緊急時に親切心で
- 第698条
- 誰かの命に危険が迫っていたり、名誉や財産に危害が及ぶ恐れがさし迫っていたために、親切心で何か作業をしてあげたならば、よほどの重大な手違いでもないかぎり、たとえ損害を生じる結果になったとしてもその損害を賠償しなければならない責任を負うことはありません。
原文
753
人のためにしてあげたなら
- 第699条
-
親切心で人のために何か作業をしてあげたなら、できるだけ早く何をしてあげたかをお伝えする必要があります。
もちろん、その人がご存知なら、わざわざお伝えする必要はありません。
原文
754
親切心で作業を始めた以上は
- 第700条
-
親切心で作業を始めた以上は、その人が引き継ぐことができるようになるまで投げ出してはいけません。
本人が引き継ぐことができなくても、相続人あるいは法定代理人が引き継ぐことができるならば、それまで作業を投げ出してはいけません。
とはいえ、本人がその作業の継続を望まない場合や、本人にとって何の得にもならないことは、その作業を途中で辞めてもかまいません。
原文
755
委任の規定は同じように適用
原文
756
親切心でもかかった費用は返してもらえる
- 第702条
- 親切心でしている作業であっても、その人にとって得になることをするために費用がかかった場合は、その人からその費用の分のお金を返してもらうよう請求してもかまいません。
- 2
- その人にとって得になることをするために債務を負ったら、委任に関して代わりに債務を負ってもらう場合の規定(第650条第2項)を同じように適用することとします。
- 3
- 実は相手が望んでもいない作業をした場合は、相手が得した範囲に限り、かかった費用の返還や債務の負担を要求することができます。
原文
757
第3編 第4章 不当利得:理由もなく利益を得たら
第3編 第2章 契約:約束や取引を交わす14の方法
0 件のコメント:
コメントを投稿